摂政皇太子(のちのジョージ 4 世)の時代を中心に、英国で古代ギリシャの椅子(クリスモス)やエジプトの意匠を写した家具が流行した。トマス・ホープとジョージ・スミスの図集、シェラトンの晩年の『Cabinet Dictionary』が形を広めた。サーベル脚の椅子、台座と爪脚で支える丸卓、低い本棚が特徴で、ローズウッドの濃い木肌に真鍮の象嵌を入れ、黒と金を合わせる。
リージェンシー様式・1810–1830
バルコニーへの床までのフランス窓 3 つ、縞の壁紙、溝の額縁と角の丸い飾り、黒い大理石の暖炉と上の鏡、絨毯
元にした図・実物: Thomas Hope『Household Furniture and Interior Decoration』1807 [P4]、Ackermann『The Repository of Arts』1809–28(Met 397092)、Met 4927 の客間 1805 ごろ(額縁の角の飾り)
アトリエで開くリージェンシー様式・1805–1830
奥にサイドボードを納める弓形のアーチの凹みと両脇の扉、縦長の上げ下げ窓 3 つ、暖炉と壺を置く壁龕。簡素な回り縁と壁紙、平天井、板張りに絨毯
元にした図・実物: Buckler「ニュービー・ホールの食堂」1816(Yale)、Sheraton『The Cabinet Dictionary』1803、George Smith『A Collection of Designs for Household Furniture』1808(推定)
リージェンシー様式・1805–1830
庭へ出る床までの窓 3 つ、暖炉と両脇のアーチの本棚、腰の高さの長い本棚と上の胸像の壁龕、扉。腰と壁紙、簡素な回り縁、平天井、板張りに絨毯
元にした図・実物: George Smith『A Collection of Designs for Household Furniture and Interior Decoration』1808、Ackermann『The Repository of Arts』1809–28(推定)
リージェンシー様式・1805–1825
前後とも外へ反るサーベル脚、上で後ろへ反る背の柱に載せた幅広の笠木の板と、中ほどの横木
元にした図・実物: Thomas Hope『Household Furniture and Interior Decoration』1807 図版 19 の図 4、Hope の作とされる椅子 1815–25 ごろ(Met 204752。高さ 916・幅 502・奥行 622)。図柄は同じ椅子の笠木の板の、渦から開く忍冬の彫刻
アトリエで開くリージェンシー様式・1805–1825
前後とも外へ反るサーベル脚、幅広の笠木の板、背の柱から前へ伸びて巻きながら前脚の上へ下りる肘
元にした図・実物: Charles Dixwell の肘掛け椅子 1820 ごろ(Met 204751。高さ 1111・幅 706・奥行 749。Hope の作とされる椅子 Met 204752 と組)。笠木の板とサーベル脚は Thomas Hope『Household Furniture and Interior Decoration』1807 図版 19 の図 4 の椅子と同じ形。図柄は同じ椅子の笠木の板の、渦から開く忍冬の彫刻
アトリエで開くリージェンシー様式・1806–1825
外へ反って頂で巻く両端の板、端と同じ高さのまっすぐな背、長さの向きに開くサーベル脚
元にした図・実物: George Smith『A Collection of Designs for Household Furniture and Interior Decoration』1808 の図版 61「Drawing Room Sofa」(1806 年 12 月刊の図。Internet Archive collectionofdesi00smit leaf 145)。図柄は同じ図の座枠の月桂樹の花綱(頂の獅子と葉の飾りは、張りぐるみの枠の笠木に収まらないので置かない)。脚は同じ図集の図版 63 のサーベル脚(図版 61 の獅子の足は、線画の部品に無いため)
アトリエで開くリージェンシー様式・1806–1825
外へ反って頂で巻く高い頭の端と低い足の端、頭から足へ下がる背と木の笠木、長さの向きに開くサーベル脚
元にした図・実物: George Smith『A Collection of Designs for Household Furniture and Interior Decoration』1808 の図版 63「Chaise Longue in Profile」の上の図(1806 年 12 月刊の図。Internet Archive collectionofdesi00smit leaf 149)
アトリエで開くリージェンシー様式・1790–1835
角の丸い長い天板を、花瓶形の柱と 4 本の反る脚(真鍮の足先)の台座 2 組で支える
元にした図・実物: Sheraton『The Cabinet-Maker and Upholsterer's Drawing-Book』1791–94 図版 XXV、Met 201599(1770–80)
アトリエで開くリージェンシー様式・1805–1830
丸い天板を中央の柱と 3 本の渦の支えで受け、辺の凹んだ三角の台の板を獅子の足で立てる(朝食やお茶の磁器を載せた)
元にした図・実物: George Smith『A Collection of Designs for Household Furniture』1808、図版 82「Dejuné Table」(1805 年 7 月刊。天板の径は図の尺で約 3 ft 2 in)
アトリエで開くリージェンシー様式・1800–1830
斜めの書き板を載せた小さな箱の机。引き出しは右の横に 4 段(左は見せかけ)、前は鏡板。書き板の奥の平らな所に低い板を回し、短いろくろ足で立つ
元にした図・実物: ダヴェンポート 19 世紀初め(V&A W.59:19-1952。高さ 94.6・幅 56.5・奥行き 50.8 cm)
アトリエで開くリージェンシー様式・1806–1825
腰の高さの低い本棚。両端の台座の扉に真鍮の斜めの格子(裏に絹を張る)、中央は奥まった棚。台座の上に壺を載せる低い台、中央の台輪に長い引き出し
元にした図・実物: George Smith『A Collection of Designs for Household Furniture and Interior Decoration』1808、図版 105「Dwarf Book Case」(1806 年刊の図)と図版 106 の扉の格子。図の幅は 8 フィートほどだが、台座と中央の幅の比はそのままに、客間の隅に置く 6 フィート(1830)の幅にした
アトリエで開くリージェンシー様式・1800–1835
両端に扉付きの台座を据え、中央に引き出しを渡す。低い背板、輪の取っ手(獅子の顔の金具の置き場所)、下に石棺形のワイン・クーラー
元にした図・実物: Sheraton『Drawing-Book』図版 XXI、George Smith『Household Furniture』1808、Phyfe 1815 ごろ(Met 7506、918 × 2000 × 660)、ワイン・クーラー(Met 1522)
アトリエで開くリージェンシー様式・1800–1820
丸い凸面のガラスを、玉を並べた深い溝の金の枠で囲む。頂に翼を広げた鷲、下に葉の垂れ、左右に燭台の腕
元にした図・実物: ジランドール 1800–1820(Met 66.108.3、965 × 559)。燭台の腕と鷲は 1817 年の米国の写し(Met 1974.363.1)も見た
アトリエで開くリージェンシー様式・1810–1820
上の天蓋から灯りの輪へ玉の綱が広がる「テント」と、輪の下で中へすぼまる綱の「袋」。輪の縁と袋の底に細長い雫、下にカットガラスの玉。蝋燭は輪の内に並ぶ
元にした図・実物: 英国かアイルランドのシャンデリア 1810–20(Met 1954、カットガラスと金銅)。灯りの輪と中心の棒の比は同じ時期のアルガン灯のシャンデリア(Met 1978、86.4 × 45.7 cm)
アトリエで開くリージェンシー様式・1785–1840
壁の円い板の前の棚に壺形の油壺、油壺の下から横へ出る腕の先に、アルガンのバーナーと下がふくらむ火屋
元にした図・実物: アルガン灯 1835 ごろ(Met 17490、368 H)・Met 140、油のランプ 1790–1800(Met 5467)
アトリエで開くリージェンシー様式・1810–1840
ろくろ挽きの中央の柱から反った脚 3 本が出て、4 本の腕が地平環を受ける
元にした図・実物: James Wilson の地球儀 1828(Met 8487、球 457・全高 889)
アトリエで開くリージェンシー様式・1790–1850
真鍮の屈折望遠鏡(対物の枠・本体・引き出しの筒・接眼)を、三脚の柱の上の受けにのせる
元にした図・実物: 望遠鏡の台 17 世紀(Met 202025)と docs/02 §5(真鍮の屈折式)。実物は要選定
アトリエで開くリージェンシー様式・1802–1820
窓の上の金のコーニスの下に、弧に垂れる布(スワッグ)を並べ、両端に襞を畳んだ脇の垂れ。下は左右 2 枚を房の紐で束ねる
元にした図・実物: George Smith『A Collection of Designs for Household Furniture』1808 の窓のカーテンの図版(Internet Archive collectionofdesi00smit、leaf 29・33・38)、窓の垂れ布の下絵 1802(Cooper Hewitt 1948-40-76)
アトリエで開くリージェンシー様式・1795–1835
長い食卓に掛けた四角いクロス。辺はまっすぐ下り、角で布が円錐に垂れてひだが寄る
元にした図・実物: docs/02 §5 dining-table(regency の台座と爪脚の伸ばす卓)
アトリエで開く
食堂とサロンの壁ぎわに、何脚も並べる椅子。

脇の開いたフォトゥイユと、脇まで張りぐるみのベルジェール。

2〜4 人が並んで掛ける、張りぐるみの長椅子。

脚を伸ばして身を横たえる、昼の休みの椅子。

架台の板から、伸ばして何人でも囲めるマホガニーの卓へ。

お茶の道具を載せる小さな卓で、三本脚の丸卓が代表。

平机・倒す蓋・巻き蓋・婦人の小さな机と型の多い、手紙を書く机。

宝物や本を見せてしまう、扉付きの棚。

食堂の壁ぎわで料理と銀器を受け、給仕がここから卓へ運ぶ台。

窓の間や暖炉の上に、床から天井近くまで掛ける鏡。