ナポレオン戦争の後のウィーンやベルリンで、市民の家庭のためにアンピールの形を簡単にした家具が作られた。サクラ・ナシ・カバの明るい木地を大きな平面で見せ、縁に黒い線を引くほかは、飾りをほとんど付けない。椅子の背は竪琴や扇の形に大きくくり抜く。居間の丸卓のまわりに家族が集まる、居心地を重んじた部屋の様式。
ビーダーマイヤー様式・1820–1845
窓のあいだのソファと前の丸卓に家族が集まる夕べ。吊りランプ、卓の上の茶器、壁ぎわの飾り棚、暖炉の棚の時計
元にした図・実物: Otto Wagner(父)1850(Cooper Hewitt 2007-27-49)、Danhauser の椅子 1815–20(Met 208558)、ビーダーマイヤーの卓 1825 ごろ(Met 230974)
アトリエで開くビーダーマイヤー様式・1830–1848
窓のすぐ脇の壁ぎわのセクレテールで手紙を書く婦人。窓のあいだのソファと丸卓、暖炉の棚の時計
元にした図・実物: ビーダーマイヤーの書き物机 1830 ごろ(Met 236582)、Danhauser の椅子 1815–20(Met 208558)、Otto Wagner(父)1850(Cooper Hewitt 2007-27-49)
アトリエで開くビーダーマイヤー様式・1815–1848
前後ともサーベル脚、背の柱のあいだに竪琴の形をくり抜いた一枚の板
元にした図・実物: Danhauser の工房の椅子 1815–20(Met 208558)
アトリエで開くビーダーマイヤー様式・1820–1840
半円に回り込む背がそのまま肘になる、木目を見せた一続きの壁の椅子。内は張りぐるみ、前と後ろの脚は平らな板のアーチで、座枠の下の中央で頂になる
元にした図・実物: Met 236580(オーストリア 1830 ごろ、高さ 918 × 幅 768 × 奥行 533。台帳 met-236580)
アトリエで開くビーダーマイヤー様式・1815–1848
高い背が角で丸く回り込み、そのまま肘になる一続きの壁。外は木目を見せる平らな面で、内は張りぐるみ。前の角には床から肘の端まで立つ黒塗りの角の柱と、その頭の金の飾り。座は前が広い台形
元にした図・実物: V&A W.36-1970(オーストリア 1820 ごろ、高さ 1080 × 長さ 1780 × 奥行 560。V&A の公開 API で確かめた)。柱の頭の図柄は同じソファの金の飾りの座
アトリエで開くビーダーマイヤー様式・1815–1830
外へ反る平らな板の両端(頭の端が高い)、木目を見せる平らで深い座枠、短い独楽形の足
元にした図・実物: Joseph Ulrich Danhauser の工房の寝椅子の図面 1814–1829(ウィーン MAK KI 8971-62)。足は同じ工房の図面(MAK KI 8971-2522)の独楽形
アトリエで開くビーダーマイヤー様式・1820–1835
ソファの前に置き、家族でコーヒーや茶を囲んだ丸卓。木目を見せる平らな丸い天板を、面を削った六角の壺形の柱 1 本で支え、六角の台を小さな四角い足に載せる。彫刻は無い
元にした図・実物: Met 230974(ウィーン 1825 ごろ。高さ 781・径 1023、天板の厚み 32・受け 54・柱 616・台 71・足 14。台帳と The Met の公開 API で確かめた)
アトリエで開くビーダーマイヤー様式・1815–1840
床の上の台座に背の高い箱を載せ、上に浅い引き出しと張り出すコーニス、中ほどに手前へ倒して書く面にする板、下に 3 段の引き出し。取っ手の代わりに鍵穴だけを付けた、木目を見せる平らな面。前の板を倒すと、中の小引き出しと仕切りの棚が見える(部品の選択肢)
元にした図・実物: V&A W.10:1to13-1942(ベルリン 1820–35。高さ 1765・奥行 660。V&A の公開 API で確かめた)の箱の組み立て。実物の両脇の円柱とその台、コーニスの上の破風と段の頂は省き、幅は柱の分を除いた 1050 にした
アトリエで開くビーダーマイヤー様式・1815–1840
磁器やガラスの器を並べて見せる飾り棚。木目を見せる平らな箱に 1 枚ガラスの扉 2 枚と中の棚、上に簡素な凹みのコーニスと帯、下に細い台輪と、下へ細る短い四角い足
元にした図・実物: Cooper Hewitt 1911-28-493(ドイツ 1805 の 2 枚のガラス戸の飾り棚の図。台帳)の、平らな箱・2 枚のガラス戸・コーニスと帯・短い足の組み立て。図の桟と描いた飾りは省き、ビーダーマイヤーの 1 枚ガラスにした。寸法は docs/02 §5 の飾り棚の目安の範囲で、図の比例から
アトリエで開くビーダーマイヤー様式・1815–1848
窓のあいだの壁に掛ける背の高い矩形の鏡。明るい木地の平らな枠の外と内に黒い玉縁を回し、上に沈んだ鏡板の箱、小さく張り出すコーニス、低い破風の板を重ねる
元にした図・実物: Marius Wolfer『Modell- und Musterbuch für Bau- und Möbel-Tischler』(Quedlinburg・Leipzig、Basse、1829。Internet Archive Wolfer28065)図版 105「Vier Spiegel」の中の鏡(枠の幅 790・枠の見付け 95・上の箱 300 は図版の物差しのフスで測った)と、図版 104「Zwey Spiegel」の低い破風。木地に黒く塗った縁の帯を回す作りは Danhauser の椅子 1815–20(Met 231805。Met の公開 API で確かめた)
アトリエで開くビーダーマイヤー様式・1815–1848
上は玉の鎖を釣鐘形に張ったテントと雫の房、中ほどの金の帯から S 字の腕 12 本が灯りを受け、灯りのあいだに玉の鎖の花綱。帯の下は玉の鎖を袋の形に集め、下の皿に雫の房。帯にパルメット
元にした図・実物: オーストリアのシャンデリアの図 ca. 1830(Cooper Hewitt 1938-88-729)。全高と径の比、帯と灯りとテントの高さの割り振りは図から測った
アトリエで開くビーダーマイヤー様式・1815–1848
下の胴に縦の畝が並ぶ低いポット・砂糖入れ・ミルク入れと、口へまっすぐ開く円筒のカップ 2 客。カップの取っ手は口より高く立ち上がる輪、受け皿は深め。盆には載せず卓にじかに並べる
元にした図・実物: ウィーンの磁器のカップと受け皿 ca. 1822(Met 460509、カップ 8.3 cm・受け皿の径 14.6 cm)。ポット・砂糖入れ・ミルク入れの形は金めっきの茶器の図 ca. 1825(Cooper Hewitt 1938-88-735)
アトリエで開くビーダーマイヤー様式・1825–1840
黒く塗った木の置き時計。四辺を弓なりに削った台に段を重ね、1 枚の板の柱の頂に文字盤の太鼓と金の壺のつまみ。柱の前に三角の枠(頂に星、下に花形の金具)、左右の低い袖に縦の象嵌の筋
元にした図・実物: ウィーンの置き時計 ca. 1830(V&A O369786、38.7 × 22.2 × 11.4 cm、黒檀塗りの木に象嵌と金の真鍮)。高さの割り振りは写真から測った
アトリエで開くビーダーマイヤー様式・1825–1850
両端に玉の飾りを付けた真鍮の竿に輪を通し、白い布を左右 2 枚に下げて、窓台の高さで脇へ束ねる。上の飾りの布(バランス・スワッグ)は無い簡素な型
元にした図・実物: R. Haes の室内画(コブレンツ、1853–58。描かれた家具は 1840 年代。Cooper Hewitt 1954-157-2。Smithsonian の公開 API で確かめた)の 2 つの窓: 玉の飾りの竿、竿に並ぶ輪、左右 2 枚を窓台の高さで束ねる
アトリエで開く
食堂とサロンの壁ぎわに、何脚も並べる椅子。

脇の開いたフォトゥイユと、脇まで張りぐるみのベルジェール。

2〜4 人が並んで掛ける、張りぐるみの長椅子。

脚を伸ばして身を横たえる、昼の休みの椅子。

お茶の道具を載せる小さな卓で、三本脚の丸卓が代表。

平机・倒す蓋・巻き蓋・婦人の小さな机と型の多い、手紙を書く机。

宝物や本を見せてしまう、扉付きの棚。

窓の間や暖炉の上に、床から天井近くまで掛ける鏡。