アン女王とジョージ王朝の初めの英国で、クルミの木地を生かした座りやすい椅子が作られた。背の中央の板は花瓶形で、横から見ると背骨に沿うスプーン形に曲がり、笠木の両肩は丸い。脚は貫のない猫脚で、先は丸いパッド足、のちに鉤爪で玉をつかむ足になる。まとまった家具の図集は残っていないので、形は実物(米国でも長く作られた)を手本にする。
クイーン・アン様式・1700–1750
猫脚にパッド足、花瓶形の一枚の背板、丸い肩の笠木、落とし込みの座
元にした図・実物: Met 1725(1730–60、花瓶形の背板とパッド足)。図柄は Met 1650(1735–60)の、笠木の中央と膝の貝殻の彫刻
アトリエで開くクイーン・アン様式・1705–1735
花瓶形の一枚の背板と丸い肩の笠木、猫脚にパッド足と H 形の貫。肘は羊飼いの杖のように前で巻いて下りる
元にした図・実物: 英国の肘掛け椅子 1710 ごろ(Met 203714。高さ 940・幅 597・奥行 464。同じ形の Met 203715 も見た。猫脚とパッド足、H 形の貫、巻いて下りる肘)。背板と丸い肩の笠木は英国の肘掛け椅子 1730 ごろ(Met 203732)。図柄は Met 203732 の笠木の中央の貝殻
アトリエで開くクイーン・アン様式・1725–1760
縁の立ったお盆のような長方形の天板、まっすぐな幕板、貫の無い細い猫脚にパッド足
元にした図・実物: ニューポートの茶卓 1740–60(AIC 1981.290。660 × 784 × 476)。英国の 4 本脚の長方形の茶卓 1730–40(V&A 435-1907)、茶卓を囲む家族の絵 1727 ごろ(Richard Collins、V&A P.9-1934)
アトリエで開くクイーン・アン様式・1705–1735
斜めの蓋の机を、短い 2 つと長い 2 段の引き出しの箪笥に載せ、ブラケット足で立てる。上は鏡の扉 2 枚の本棚で、頂は 2 つの円弧の屋根と 3 つの飾り
元にした図・実物: 英国の机付きの本棚 1700–20(Met 39.184.1a, b。二つ屋根・鏡の扉。高さ 206.1・幅 111.4・奥行き 59.7 cm)、Samuel Bennett のビューロー・キャビネット 1725–30 ごろ(V&A W.66:1 to 38-1924。胡桃材の机と箪笥、ブラケット足)
アトリエで開くクイーン・アン様式・1700–1725
楕円の鏡板の 2 枚扉の飾り棚を、引き出し 3 つの台と 6 本の S 字の渦の脚で立て、脚の下は平たい貫と玉足。コーニスの下に丸くふくらんだ隠しの引き出し
元にした図・実物: 英国の脚付きの飾り棚 1700 ごろ(Met 204655。胡桃材の寄木。館の記録 159.4 × 116.2 × 53.3 cm)
アトリエで開くクイーン・アン様式・1715–1725
窓のあいだに掛ける細長い鏡。肩を段に入れた上のアーチの金の枠で、鏡は上下 2 枚に分かれる。頂に割れた渦の破風
元にした図・実物: 英国のピアグラス ca. 1720(Met 64.101.1003、1448 × 635。金のジェッソの松材)。頂の渦は Belchier ca. 1720–25(Met 46.116)
アトリエで開くクイーン・アン様式・1705–1730
八角の段の台の上に、面を取った逆さの洋梨形の柄。肩に節、口に繰形の縁。飾りのない銀の面で形を見せる
元にした図・実物: Thomas Merry I の燭台 1714–15(Met 205212、18.7 × 10.8 × 9.5 cm)。同じ型に Merry 1706/7(Met 197694)、Paul de Lamerie 1728(Met 204872)
アトリエで開くクイーン・アン様式・1705–1730
渦の脚 3 本の台にのせた銀の湯沸かし(下にランプ、上に木の握りの吊り手)、高い蓋の洋梨形のポット、四角い茶葉の入れ物、持ち手のない碗と受け皿 2 客
元にした図・実物: 湯沸かしと台 Lewis Mettayer 1708–09(Met 68.141.83、419 H)、ポット John Coney 1710–22(Met 33.120.526、192 H × 210)、茶葉の入れ物 Augustin Courtauld 1726/27(Met 68.141.268、114 H)、碗と受け皿は docs/02 §5 [S3]
アトリエで開く
食堂とサロンの壁ぎわに、何脚も並べる椅子。

脇の開いたフォトゥイユと、脇まで張りぐるみのベルジェール。

お茶の道具を載せる小さな卓で、三本脚の丸卓が代表。

平机・倒す蓋・巻き蓋・婦人の小さな机と型の多い、手紙を書く机。

宝物や本を見せてしまう、扉付きの棚。

窓の間や暖炉の上に、床から天井近くまで掛ける鏡。